今後の経済政策の方向性を決める「新しい資本主義実現会議」については、今までもその動向について触れてきました。この会議の提出資料は公開されてますが、中小企業の経営者にとっても、短期・中期・長期の経営の観点から興味深い資料かと考えます。そこで、数回に渡り、5月20日に開催された会議のテーマについて私見を交え皆様へ紹介したいと思います!(この会議のテーマは、「人への投資」「取引の適正化」等になります。)
*5月20日「新しい資本主義実現会議(第7回)」の提出資料 >>https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai7/gijisidai.html
本日は、日本商工会議所会頭の三村会頭出の資料を中心に今後の「最低賃金」、及びその対応について私見を述べたいと思います。
1)今後の最低賃金について
以下、2021年からの全国平均最低賃金の推移ですが、和歌山県ではご存じの通り2022年現在最低賃金は、859円になっております。昨年もそうでしたが、今年の「骨太の方針」原案でも「できる限り早期に全国加重平均千円以上を目指す」と明記しているようですので、私見ですが今年10月の最低賃金改定のおいても、3%ほどの最低賃金UPになるかと予想します。(3%UPの場合、和歌山県の最低賃金は885円ほどになりますね。)
以下、上の三村会頭資料抜粋ですが、中小事業者(特に小規模事業者)にとって、近年の最低賃金UPの経営に対する影響は大きいかいと考えます。特に今年に入りコロナ禍に加え、原油・物価高騰により厳しい状況が続いているかとも思います。下に事業者の対応策についても書いてありますが、いづれにせよ、10月の最低賃金改定に備える必要があります。
2)最低賃金UPにおける助成金・補助金の活用について
①厚労省の助成金について(業務改善助成金)
最低賃金を引き上げる際に活用できる国の支援策としてまず出てくるのが、厚労省の「業務改善助成金」になります。下にあるPRチラシに申請要件が書いてありますが、要件を満たせば、是非当助成金の活用を検討いただければと思います。
令和4年度の業務改善助成金のPRチラシ>>https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000939651.pdf
②経産省主要補助金における最低賃金関連の優遇申請枠について
事業者が最低賃金を引き上げる場合、経産省の以下の補助金において審査の際優遇しています。(加点される)以下の補助金での最低賃金枠関連の申請枠になりますが、活用できるかご検討いただければと思います。