本題の前に【速報】をひとつ。下URLにある記事にあるとおり、政府は和歌山県への「まん延防止等重点措置適用」を明日3日にも決定するとのことです!今後、当件に関わる和歌山県からの詳細情報(時短要請など)を注視してください!
*時事通信社Web記事:「和歌山にまん延防止適用へ 政府、3日にも正式決定」 >>https://www.jiji.com/jc/article?k=2022020101154&g=pol
さて、以下本日の本題になります。
昨年より様々な業種において原材料が高騰しており、事業者の経営に大きな影響を及ぼしております。皆さまのご商売においても、原材料・製品等の仕入れ価格は上昇しているでしょうか?また、仮に仕入れ価格が上がっているとして、今後上昇分を販売価格に転嫁することをご検討でしょうか?
先週、帝国データバンクが12月に実施した「企業の価格転嫁の動向調査」の結果を公表しましたので、参考データとして以下紹介しておきます。
「企業の価格転嫁の動向調査結果」 >>https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220107.pdf
1)企業の 64.2%で前年同月と比べ仕入単価が上昇、リーマン・ショック以来の水準に
- 仕入単価が前年同月と比べて上昇した企業は 64.2%と、リーマン・ショックがあった 2008 年9月(65.5%)以来となる水準まで上昇した。
- 業種別では、鉄鋼や石油卸売が含まれる「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」の 92.7%で仕入単価が上昇。さらに、「化学品製造」(83.3%)や「飲食店」(83.1%)、「機械製造」(82.0%)、「電気機械製造」(81.4%)、「建材・家具、窯業・土石製品製造」(80.3%)といった業種でも、8 割超の企業で仕入単価が上昇している。
2)仕入単価が上昇した企業の半数超で、販売単価への価格転嫁ができていない
- 仕入単価が上昇した企業のうち、販売単価も上昇したとする企業は 43.8%となった。一方で、販売単価が変わらない(47.9%)、低下した(6.3%)とする企業は合わせて 54.2%となり、半数を超える企業では価格転嫁できていない状況にある。
- 業種別にみると「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」では 87.2%で販売単価も上昇。また、「建材・家具、窯業・土石製品製造」(52.7%)や「化学品製造」(51.1%)も半数を上回った。一方、「飲食店」(28.6%)や「飲食料品・飼料製造」(31.8%)などの飲食料品関連では、販売単価が上昇した割合は 3 割程度にとどまった。
以上の調査結果にあるとおり、仕入れ価格が上昇しても、様々な理由で販売価格へ転嫁することが難しい事業者も多いかとは思います。私も長く為替が非常に弱いイタリアで外国製品を輸入しての商売に携わっていましたので、顧客(代理店)との値上げ交渉は毎年のようにやってました。故に、値上げ交渉のタフさは身をもって知っているつもりです。(一時的にですが、顧客との関係が悪化することも当然ありました。)
価格交渉の難しさ・タフさは十分承知しておりますが、避けては通れないことかと個人的に思います。競合状況等ケースバイケースでしょうが、原材料高騰の現状を鑑みると、値上げの可能性はいつでも視野に入れておくべきかと考えます。
最後に、参考情報として「下取り取引における大企業の買いたたき防止」に関する先週の日経新聞記事を紹介しておきます。
*1月26日の日経新聞記事:「「買いたたき」認定厳しく 公取委、転嫁・賃上げ促す」 >>https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25F3Q0V20C22A1000000/