2年前より基金化され通年公募となっている「小規模事業者持続化補助金」(通称:持続化補助金)ですが、来年度は補助スキームが大きく変更になるようです。本年のスキーム(申請枠・補助上限額・補助率)は以下のとおりになっております。
来年からの持続化補助金の概要詳細は未だ公表されていませんが、最近公表されたPRチラシ、経産省補正予算案関連資料では、大枠について以下のとおり記載しています。
①PRチラシからの抜粋(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/seisansei.pdf)
上のPRチラシの表にある通り、「通常枠」は本年通り変わらずですが(上限50万円、補助率2/3)、新たに以下の申請枠が新設されています。
①成長・分配強化枠
- 「赤字など業況 が厳しい中でも、賃上げ等に取り組む事業者や事業規模の拡大に取り組む 事業者向けに特別枠を 創設し、補助率や上限額を引き上げます」とあります。
- 補助上限額が200万円と大幅アップし、今まで通り補助率も2/3です。(上限額は通常枠の4倍です!)
- 単なる推測ですが、この申請枠、「賃上げ類型?」「事業拡大類型?」など類型が分かれるようですね。一部の類型においては、赤字事業者の補助率は3/4になるようです。
- いづれにせよ、この申請枠の詳細要件は不明です。後日、事務局より詳細が公表されるかと思います。
- たとえば、賃上げ目標を達成できなかった場合、ものづくり補助金のように補助金の返還が求められるかどうか気になるとことです。
②新陳代謝枠
- 「新陳代謝枠」とは、「後継ぎ候補者が実施する新たな取組や創業を支援する特別枠」だそうです。
- この申請枠の補助上限額も200万円と大幅アップしています。補助率は2/3ですね。
- 別の補助金である事業承継・引継ぎ補助金の経営革新型は、「過去4年間に代表者交代を実施した、もしくは今後1年ぐらいの間に代表者を計画している事業者」が補助対象ですが、この申請枠は、「アトツギ候補者」であれば、対象になりそうですね。
- 現在の持続化補助金にも「特定創業支援」として創業者も対象としていますが、創業者に関しては同じ要件になるかは不明です。
③インボイス枠
- 「インボイス枠」とは、「インボイス発行事業者に転換する場合の環境変化への対応を支援 する特別枠」だそうです。
- 補助上限額は、通常枠の2倍の100万円、補助率は2/3です。
- 「インボイス発行事業者に転換するする場合」とありますので、個人事業主の(消費税)免税事業者から課税事業者への転換を支援することが主たる目的でしょうか?
- 持続化補助金ではITツール導入(会計ソフト等の含む)も対象になりますが、来年のIT導入補助金と一部だぶるような気がします。詳細をみないと何とも言えませんが。
- (消費税の)課税事業者になるためだけの必要な経費は、ITツール以外にはちょっと思いつかないですが、ITツール導入と併せて「お客さんを増やす」ための費用が対象になるかとは思います!