既に公表されている「経済対策」の裏付けとなる「補正予算案」が明日閣議決定される予定ですが、先立って日刊工業新聞が今朝の1面に「経産省の主要補助金」についての最新情報を報じています。以下、その記事からの抜粋になります。
- 「経済産業省は中小企業に業態転換や新分野展開を促す「事業再構築補助金」について、2021年度の補正予算案に約6100億円を計上する方針を固めた。ものづくり補助金などで構成する「生産性革命推進事業」には約2000億円を充てる。」
- 「ほかにはコロナで打撃を受けた企業に最大250万円を給付する「事業復活支援金」に約2兆8000億円を、事業再編・再生支援に約760億円を計上。伴走支援体制の強化などに約130億円、下請け取引適正化の推進に約8億円を充てる。」
- 「目玉に位置づける事業再構築補助金には、ガソリン車から電気自動車(EV)向け部品事業への業態転換などを目指す事業者を対象にした「グリーン成長枠」を新設。新型コロナの影響を受けた事業者を想定して設定している売上高減少要件を撤廃し、補助上限額を従来の最大1億円から同1億5000万円に引き上げる。」「新型コロナの影響を受けた事業者向けの既存の枠は継続するが、売上高減少要件を一部緩和する」
- 「生産性革命推進事業ではものづくり補助金にも脱炭素やデジタル化への成長投資を促す「グリーン枠」や「デジタル枠」を新設。通常枠より補助率や補助上限額を引き上げる。業況が厳しい中で賃上げに取り組む中小向けの枠も設け、優先採択などの措置を講じる。」
- 「IT導入補助金では中小の生産性向上やインボイス制度開始を見据えて電子受発注システムや会計ソフトなどの導入を支援するため従来より補助率を引き上げる。クラウドサービスの2年分の利用料やパソコン、やタブレット端末の購入費用も新たに補助する。」
さらなる関連情報は、明日公表される補正予算案PR資料で判明するかと思いますが、以下、簡単に解説します!
1)事業再構築補助金
追加予算額は、時事通信が報じれいる通り6100億円とのことです。新設される「グリーン成長枠」では、「売上減少要件を撤廃」「補助上限を1億5千万円」にするとはビックリです。「グリーン成長枠」とは具体的な定義は何か気になります。既存の「通常枠」「特別枠」などでは「売上減少要件を一部緩和する」とありますが、具体的にはどこまで緩和するのでしょう?また、上記の変更は、3月申請締切の5回目公募から反映されるのか、それとも6回目公募(6月締切?)からになるのか大変気になります。
2)ものづくり補助金
新たに「グリーン枠」「デジタル枠」を新設し、補助率・補助上限額を引き上げるとのことですが、明日公表予定の経産省の補正予算案PR資料で、その詳細を確認したいと思います。
3)IT導入補助金
特筆すべきは2つ。クラウドサービス利用料は今まで1年分でしたが、「2年分」が補助対象になるようです。また、(汎用性のある)「パソコンやタブレット端末」等のハードウェアは今まで補助対象外でしたが、これが補助対象になるとのこと。これは、事業者にとっては大変魅力的ですね!