歳出規模30兆円超を見込む経済対策(補正予算案)の月内策定に向け、「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)は8日、経済対策や税制改正に向けた緊急提言をまとめました。
*日経新聞関連記事>>https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL086CS0Y1A101C2000000/
* 「新しい資本主義実現会議」 緊急提言案資料(16ページ)>>https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai2/shiryou2.pdf
今後、この緊急提言を受け、経済対策の具体的内容が決まり、今月中(19日?)にも補正予算案が閣議決定されるようです。以下、この緊急提言の中の事業者支援に関わるところだけ簡単に解説します。
1)事業再構築補助金
資料には以下の記述がありますので、繰り返しますが、来年度も事業再構築補助金は継続されるかと思います。「売上減少要件」(10%減)は緩和され、新しい特別枠も設定されるとのこと。とはいえ、具体的にどうなるか分かりませんので、今後出てくる補正予算案資料等を待つ必要がありそうです。また、「生産性向上の支援」とあることから、補正予算案では3主要補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金)も拡充されるかと考えます。補助金の予算規模については今のところなんの情報もありませんが、気になるところですね。
2)最低賃金引上げと支援策(もの補助、IT補助金、持続化補助金)
以下、資料からの抜粋ですが、最低賃金を「より早期に全国加重平均1000円とすることを目指す」とありますので、来年(10月)も30円(3%)ほど最低賃金を引き上げたいようですね。「賃上げしやすい環境を整備するためにも、生産性向上に取り組む中小企業への支援強化」とありますので、業務改善助成金などが拡充されるかと予想します。
3)賃上げ実施企業への税制支援について
今後賃上げを実施する事業者への税制支援を強化していくようです。「補助金の要件として賃上げを考慮することを検討する」とあります。既に、ものづくり補助金・IT導入補助金においては、一部賃上げが申請要件となっていますが、他の補助金でも賃上げが要件となる可能性があるかと考えます。
4)その他支援策(持続化給付金、事業承継・引継ぎ補助金など)
今回の提言には「持続化給付金」についての記載はありません。しかし、先日岸田首相自身が「地域・業種を問わず、3月まで見通せるような形で持続化給付金並みの措置を盛り込む」 と発言した通り、経済対策には反映されるかと予想します。同じように、「事業承継・引継ぎ補助金」も盛り込まれるかと。
以上、今後の経済対策における事業者支援策の最新情報になります。更なる詳細情報が入り次第、当ブログにてお知らせしたいと思います。