昨日、事業再構築補助金の特設サイトをチェックしていましたら、和歌山市の「株式会社中心屋」さんの事業計画書が事例として掲載されていました!私もJR和歌山駅近くの店舗で美味しいちゃんぽんを食べたことがありますが、ご存じの方も多いのでは。
URL:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/cases/01_jigyokeikaku_08.pdf
公開された中心屋さんの事業計画書は上URLにある通りですが、和歌山市の飲食店という大変身近な再構築事例になりますので、是非ご一読いただければと思います。勝手ながらが、以下私の簡単な解説になります。
- コロナの影響が最も大きい業種の一つである「飲食業」としては、中心屋さんの事業計画書が初めての掲載事例になります。
- 申請タイプは、「新分野展開」「緊急事態宣言特別枠」になります。(1回目締切の採択事例ですので、事業計画書の枚数は15枚となってます。)
- 一読しての感想ですが、以下の点から大変説得力のある計画であり、「これは間違いなく採択されるよなぁ~」と思いました。
- 「コロナの影響が甚大であり、再構築は間違いなく必要である!」ことがFact&Figureでしっかり説明してある。(まぁ、どこの飲食店さんもそうでしょうが、ここはしっかり説明すべきかと思います)
- 再構築事業(高齢者配食事業)を検討・決定した背景・理由が明確である。SWOT分析、3C分析(自社・市場)等が全て「なぜ、この再構築事業をやる必要があるのか?」の説明に繋がっており、納得感がある。
- この再構築事業は「ポストコロナ」に対応した事業ということだけでなく、将来の更なる高齢化社会、(政府が言っている)人生100年社会に対応した事業と言える。
- 自社が、この再構築事業を実施する能力・リソース(人・物・金)があることが丁寧に説明してある。(専門部署の創設・新規人材の採用、社長の経験・ネットワークなど。また、成功のためには全て自力でやるのでななく、冷静に考えFC加盟を検討・決定した点)
- また、この厳しい時期に人員を削減せず、逆に6名以上の新規採用を実施する「思い切った事業」であると言える。
- 詳細に競合分析をしており、自社の優位性をしっかり説明してある。(価格面、営業面、体制、本気度など)
- 売上計画・顧客獲得計画の「算出根拠」に合理性があり、納得性がある。(あくまでも推定ではあるが、それでも説得力があると感じます)
- 以上のことから「事業性」(商売としての実現性)が、かなり高いと考えられる。
以上が、私の勝手な個人的評価ですが、事業再構築の要件を満たしていることの説明に前半の5ページ以上を使っていることも面白いなと思いました。「売上計画」「収益計画」を最初に持ってきている事業計画書は、公開されている他の事業計画書にはないかと思います。
要は、以下の点で「説得力」「納得性」があれば、どんなフォーマット・ストーリーでもOKということでしょう!
- 「なぜ、この事業再構築事業を始める必要があるのか?ちゃんとポストコロナ、SWOT、市場・顧客・競合状況も考えての結論なのか?」(思い付きではない、経験と勘だけではないということ)
- 「思い切った」事業と言えるか?(思い切った事業ということだけでなく、ちゃんとそのリスク、及び解決方法を考えているか?)
- 再構築事業をちゃんと実施できる能力・リソース(人・物・金・情報)を持っているか?計画しているか?
- 売上計画・顧客獲得計画は合理的に算出しているか?納得性があるか?また、計画を達成するための根拠は十分か?(競合との優勢性、顧客獲得のためのアクション(営業・販促など))
事業再構築補助金の次回締切は、12月初旬ぐらいかと予想しますが、申請予定の事業者は今からでの事業計画書の作成に手を付けるべきかと思います。中心屋さんの事業計画書を見てわかる通り、(採択される)事業計画書の作成には時間と努力が必須です!その際、自分勝手な計画ではなく、以下の「審査項目」、及び上にある私見を十分考慮して記述して頂ければと考えます。