経産省・中小企業庁にとって、(新型コロナ対策の事業者支援を除けば)一番の課題は「事業承継」かと考えます。
今まで事業承継関連の補助金については触れてはきましたが、以下、中小企業庁が今月公表した資料を基に、事業承継・M&Aに関する来年の補助金を事前にもっと分かりやすく解説します!
1)「事業承継・引継ぎ補助金」【経営革新型】について
以下、平成29年に創設された「事業承継補助金」(後に「事業承継・引継ぎ補助金」に改名)の推移、及び現在の「経営革新型」の概要になります。
①「経営革新型」とは、上にあるとおり「事業承継(M&Aを含む)を契機とした経営革新(設備投資や販路開拓等)を支援する補助金」です。(建物、内装工事、そして人件費まで補助対象となる使い勝手の良い補助金です)
②申請要件として、「過去4年ほどの間に、代表者が変わった・M&Aを行った。もしくは今後1年ほどの間に代表者の交代・M&Aを予定している」事業者のみが申請可能ですので、毎年申請者は多くありません。故に、毎年採択率はかなり高いのが実情です。(採択率:60%~70%)
③上の表にあるとおり毎年予算も増えてます。まだ概算要求レベルですが、来年の当初予算概算要求額は、本年当初予算の約3倍にあたる47億円となってます。また、衆院選後の国会で成立すると思われる令和3年度補正予算にも、昨年の補正予算額(45億円)を大きく上回る予算額が計上されると予想します!
④本年の公募は、コロナの影響で遅れ6月に始まりましたが、来年は4月以降の公募開始と予想します。本年同様2次、3次公募もあるかとも思います。(あくまでも予想ですが)
2) 「事業承継・引継ぎ補助金」【専門家活用型】について
「専門家活用型」とは、下にあるとおり「M&A時の仲介手数料やデューディリジェンス等を補助する補助金」です。
①M&A仲介手数料・デューデリ費用等を補助する「専門家活用型」も、上の1)「経営革新型」と同時に来年4月以降に公募が始るかと思われます。来年度に「買い手」「売り手」としてM&Aを検討されるようなことがあれば、是非当補助金を活用されては如何でしょうか?
②本年公募の採択率結果は、80%以上と大変に高い数字でしたので、来年の公募もかなり採択されやすかと予想します。
3)政府の「事業承継ガイドライン」の改訂について
経産省・中小企業庁が、平成28年に策定した「事業承継ガイドライン」をご存じでしょうか?
>>https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei_guideline/001/001_s.pdf
現在、中小企業庁は、このガイドラインの改訂に動いてます。以下、検討会での配布資料になりますが、ご興味のある方(特に支援機関の方)、目を通してみては如何でしょうか?(上の1)にある図表は、この資料から抜粋したものです)
>>https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei_guideline/001/001_03.pdf
4)立石裕明氏による事業承継セミナー「本気の事業承継 コロナ禍だからこそ考えよう!」
最後に、和歌山県事業承継・引継ぎ支援センターが、11月に開催する事業承継セミナーを案内します!(和歌山市、田辺市、橋本市の3会場)
>>https://www.wakayama-sangyo.com/2021/09/07/syoukei211124/
講師は立石氏、私も面識がありますが、今後事業承継を考慮・検討している事業者にとって大変有益なセミナーになるかと思います。是非、セミナーへの参加してみてはいかがでしょうか!