昨日、【速報】として事業再構築補助金の2回目締切分の採択結果を簡単にお知らせしました。本日は、もう少し突っ込んで追加で解説したいと思います。
ちょっとその前にひとつ。今回も1回目締切同様に、事業概要の説明(100字ほど)の「業種別」採択者リストがエクセルで公開されています。同業他社の事業再構築の動向など今後の参考になるかと思いますので、是非下URLの業種別採択者リスト(エクセル資料)をダウンロードの上、「事業計画の概要」カラムをキーワードで検索してみてはいかがでしょうか?(貴方が検討している事業再構築のキーワード、設備投資しようとしている設備機械名称、業種を特定できるワードなど)
>>https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.php
さて、本題です。以下、昨日公表された採択結果を、少し突っ込んで解説します。
1)業種別の採択結果
業種別に採択率の高いランキングにすると、以下の表になります。
*事業再構築補助金は、あくまでの「設備投資」の補助金です。製造業の採択率が一番高いですが(56%)、ものづくり補助金同様に、製造業の事業者には他業種と比べ当補助金を使いやすいように思います。(小売業等のサービス業では、「販売投資」がメインであり、事業再構築といえるプロジェクトでも、設備投資がメインではないこともありますので。)また、製造業の事業者は、他業種と比較し、ものづくり補助金等の申請に慣れている事業者が多いことも、採択率が高い理由かと思います。
*申請件数・採択件数のNo1、採択率もNo2は「宿泊業・飲食サービス業」になります。最もコロナの影響を受けている業種と言えますし、「事業再構築の必要性も明確なところも多い」かと思います。特に飲食業では、小規模の事業者も多いこともあり、今回採択率の高い「特別枠」で申請された事業者が多かったのではないかと推察します。
*他業種は、製造業・宿泊飲食業と比べ採択率は低くなっていますが、どの業種でも採択の一番の近道は、「審査員にとって合理的・説得力のある事業計画を作成する」ことになります。本当の思い切った事業再構築事業と言えるのであれば、「業種で通りやすい・難しい」ということは、あまり考えず、説得力のある事業計画書を作成することに集中していただければと思います。
2)都道府県別の採択者分析について
以下、都道府県別の採択率ランキング(TOP10)、及び和歌山県(全国で37位)の採択率比較になります。
*個人的に都道府県別の分析はあまり意味がないと思っています。上の採択率TOP10を見ても、「緊急事態宣言」「まる防」地域を厚遇しているとは言えないかと思います。
ちなみに、採択件数のランキング(TOP10)は以下のとおり。(和歌山県は37位)当然、大都市が上位に来てますね!
3)補助金申請額の分布について
補助金申請額の分布ですが、今回2回目締切分の結果は、ほんとんど前回1回目結果と同じ傾向になってます。以下の図にあるとおり、応募金額(補助金申請額)は、1000万円以下と6000万円に2極化しています。次回の3回目公募から、通常枠の補助上限額は従業員数により4000~8000万円に変更になりますが、この変更が補助金申請額の分布に大きく影響するかと思います。
4)認定支援機関別応募・申請・採択状況について
ご承知のとおり、当補助金への申請においては認定支援機関の支援を受けて事業計画書を作成することが求められています。事業者の立場からあくまでの大切なことは、信頼できる支援者へ支援をお願いすることかと思います。とはいえその際、「有償の民間支援機関」と「無償の商工会・商工会議所等の公的支援機関・金融機関」(一部の金融機関は有償ですが)の2択があるかと思います。事業者の意向次第ですが、理想を言えば事業者が主体的に事業計画書の記述し、公的支援機関等のアドバイス・支援を受け計画書をブラッシュアップすることが、今後の事業者のためになるかと思う次第です。とはいえ、このコロナ禍での苦境の中、本当に多忙であり事業計画書作成に慣れていない事業者が、外部の民間支援者へ有償での事業計画書記述をお願いすることも当然かと考えます。ただし、その場合でも、外部支援者への「丸投げ」はせず、一緒に事業計画書を記述するというスタンスが大切かと思います。(当然の話ですが、最終的な事業計画書は、あくまでも事業者のものであり、実施するのも事業者です!支援者のものではありません)