今週、ものづくり補助金の次回公募スケジュールが公表になりました。(申請締切:11月11日)設備投資に対する補助金としては、予算額の大きさから「事業再構築補助金」が注目されがちですが、昨年までは一番人気であった「ものづくり補助金」を忘れてはいけません。ここで、改めて2つの補助金を比較・解説してみたいと思います。以¥下、簡単な比較表になります。
1)事業の目的、及び補助上限額
*事業再構築補助金の事業目的は表にあるとおりです。ものづくり補助金の事業目的である「経営革新」についは以下のとおり定義されます。
補助上限額ですが、ものづくり補助金の1000万円と比べると、事業再構築補助金は(通常枠)は「4000~8000万円」(従業員数による)と過去にない大きな補助金となってます。とはいえ、事業再構築補助金が例外なのであり、ものづくり補助金の1000万円も補助金としては十分大きなものです。
2)申請要件
事業再構築補助金の申請要件は複雑であり、申請枠によって異なっています。詳しくは下に張り付けたエクセル資料のとおり。
上のエクセルにある「売上減要件」(3次公募より付加価値額減でもOK)、「事業再構築要件」は必ず満たす必要があります。 ものづくり補助金には、この2つの要件はありません。仮に事業再構築補助金の申請要件を満たさない場合(例:売上がコロナ前より増えている)、そこで諦めず、「ものづくり補助金」への申請が可能か検討されるべきかと思います。(補助上限額が少なくなるのは致し方ないとして)ただし、ものづくり補助金では、「給与増・最低賃金+30円」が要件になってますので、ご注意ください。
また、ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」においては、追加で以下の事が申請要件となっています。
3)補助対象経費
2つの補助金共、主には「設備投資」に対する補助金です。一番の違いは、事業再構築補助金では「建物・内装修繕費」、「宣伝広告・販促費」も補助対象ですが、ものづくり補助金では対象外であることです。ただし、ものづくり補助金「低感染リスク型ビジネス枠」では、「宣伝広告・販促費」が対象となっています。
4)申請作業負荷(事業計画書の作成)
2つの補助金共に、時間を掛けて「合理的で説得力のある事業計画書」を作成する必要があります。事業計画書の枚数制限・目安は一番上にある表のとおりです。作業負荷はほぼ同じと言いたいところですが、事業再構築補助金で補助申請額が大きい場合、より精緻に時間を掛けて作成する必要があるかと思います。
5)採択率について
今後の採択率については何とも言えません。直近の公募の実績としては、事業再構築補助金の通常枠で30%、特別枠で56%、ものづくり補助金の一般型で48%となっています。
6)今後の公募スケジュール
以下、来年3月までの公募スケジュールになります。ものづくり補助金については、来年度も継続され、来年2月以降も3か月毎に公募締切が設けられる予定です。事業再構築補助金においては、今のところ来年度(来年4月以降)の公募は予定されていません。しかし、この補助金は単年度予算でなく「基金化」されていますので、今年の補正予算に追加予算が計上されれば、来年度も継続になる可能性は十分あると予想しています。
最後に、上記2つの補助金の詳細情報については、下の特設サイトをご覧ください。