当方、独立後も複数の支援機関で、週2日ほど専門家として事業者からの相談に対応しておりますが、相談内容の多くは事業再構築補助金への申請に関するものです。相談を受ける中で特に気になることは、今後の事業再構築・新規事業に対する市場調査・事業性分析が不十分な段階で最終決定されている事業者様が少なからずいらっしゃるということです。
「思い付き」とまでは言いませんが、単に経験と勘だけで事業再構築事業の方向性を決め、今後参入する新しい市場・顧客について調査せず、自社の適性について楽観的に考えすぎる。確かに「勘と経験」も大切ですが、それだけでは大きなリスクがあるかと考えます。安易に事業再構築の方向性を決めてしますと、ひょっとしたらもっと自社に適した新規事業の可能性を排除することになるかもしれません。
個人的には最低でも事前に「3C分析」(市場・顧客、競合、自社に関する分析)、SWOT分析は十分に行うべきと思います。その上で事業再構築事業の方向性を決めたら、(事業再構築補助金の)事業計画書を書くことで、その事業性(本当にものになるか?)を再検証することができるかと考えます
そこで、今回は事業再構築の方向性を検討する上で有益な情報をご紹介します。以下の情報は、中小機構が運営するサイト「JNet21」に8回にわたり掲載されたコラム記事ですが、まだ事業再構築の方向性を検討する上で悩んでいる事業者には大変参考になるかと思います。
「コロナ禍をきっかけに事業を見直し、再構築するための7つのステップ」
第1回「コロナ禍でも事業を骨太に継続させるための肝を考えよう」
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding01.html
第2回「ステップ(1)資金繰りの見通しを立て、再構築に向けた自社の余力を知ろう」
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding02.html
第3回ステップ(2)売上だけではなく、利益と資金から再構築を考えよう
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding03.html
第4回ステップ(3)貴方のご商売でのこだわりや心がけはなんですか
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding04.html
第5回ステップ(4)顧客や世の中のニーズの変化を読み取ろう
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding05.html
第6回ステップ(5)事業再構築の方向性は大きく4つあります
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding06.html
第7回ステップ(6)再構築の方向性を経営革新計画などで「見える化」しよう
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding07.html
第8回ステップ(7)再構築のための資金流出を最小化するために支援制度を活用しよう
>>https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/rebuilding/rebuilding08.html
事業再構築補助金の公募ですが、来年3月までに4回の申請締切が予定されていますので、まだまだ時間があります。申請される多くの事業者様にとって、事業再構築事業は将来の明暗を左右する社運を賭けた事業かと思います。8回シリーズのコラム記事ですので、読むのにちょっと時間がかかるかとは思いますが、是非ご一読されることを勧めます!